UWA British Resurrection 11/April/1999

UWAが戻ってきた! 去年の10月に開催された大会は成功でイギリスのプロレスは死んでいる、という私の考えを吹き飛ばしてしまった。今回UWAの選手はクリスタル・パレスという大きな会場で試合をして、それがケーブル・テレビのL!VE TVで放映されることになっている。明らかに今大会は前大会よりも大きなものになることが期待された。

第一試合
フィル・パワーズ vs マッド・ドッグ・マクフィー
マッド・ドッグはなかなか大きなレスラーで、一見アメリカ人のようである。スティーブ・リンスキーが彼のマネージャーで私自身がマッド・ドッグを見るのは今回が初めて。フィルがリングに上がると、スティーブはすぐに逃げた。試合が始まると同時に、マッド・ドッグはフィルにラリアット。フィルはブレーン・バスターやトップロープからのドロップ・キックで反撃する。しかし、マッド・ドッグにはパワーがあり、試合を優勢に進める。彼の一発一発のチョップは強力だ。フィルがスモール・パッケージ・ホールドでマクフィーからピン。

第二試合
ビッグ・パパT vs マーク・スローン

ビッグ・パパTはスーパーヘビー級のレスラー。FWAのヒーローであるスローンを簡単に投げ飛ばす。パパTはスローンにギロチン・ドロップを落とすと、スローンはグロッキー状態。パパTがテキサス・クローバー・ホールドで勝ち。

第三試合
2ファー・ゴーン vs デス・スクワッド

2ファー・ゴーンは前回の大会よりも大きくなっていた。しかし試合自体は前回とほとんど同じで、デス・スクワッドがボディ・プレスで圧殺。

第四試合
英連邦ジュニアヘビー級選手権試合
タイガーマスク vs ジェイソン・クロス

ダートバイク・キッドが半年以上も選手権試合をしなかったため、王座を剥奪され、ベルトは空位になっていた。タイガーマスクがベルトを獲るためにイギリスにやって来た! 最初からキックを惜しげもなく出し、いつものような軽快な動きだ。トペ・スイシーダを繰り出すと、観客は大喜び。よくロープから滑っていたが、おそらくロープが緩いのではないだろうか。クロスが負けじとフランケン・シュタイナーやトペ・コンヒーロをお返し。さらにノーザンライト・スープレックスやミチノク・ドライバーも出す。クロスはトップロープからの攻撃を試みたが、タイガーはドロップキックで迎撃。タイガーがムーンサルト・プレスでベルトを奪取した。

第五試合
ポール・スローン vs ジョニー・ストーム

ポールはジョニーに対してパワー攻撃。マッド・ドッグが空缶でポールを殴り付けると、ジョニーがそのままカバー。フィル・パワーズがポールの救出に来るが、時すでに遅し。

第六試合
スティービー・ナイト vs フィニックス

アナーキストがナイトと戦うはずだった。しかし、アナーキストのマネージャー、スティーブ・リンスキーがアナーキストに試合をするな、と言う。リングに一度たりとも入ったら、ギャラは出ない、とも言う。アナーキストはうなずき、控室に戻る。彼の代わりに、期待の星、フィニックスがやって来て、ナイトに向かっていく。ナイトの動きは素晴らしく、フィニックスは何もできない。ナイトは高角度のバック・ドロップを繰り出すと、フィニックスがスワンダイブ式のスピン・キックを出す。ナイトがフェイス・バスターで試合に勝つ。

第七試合
ケリー・カブレロ vs 愚乱浪花

浪花はヒールに徹し、椅子攻撃を試みる。新崎人生の得意な拝み歩きやラ・ケブラーダを繰り出す。面白かったのは、ラリアット後のスタン・ハンセンばりのロング・ホーン。いつものようにかに歩きも出すが、カブレロがライガーボムで勝ち。

第八試合
ダニー・ロイヤル vs クリストファー・ダニエルズ

アメリカのレスラー、ダニエルズはリラックスしていて、ネック・ブリーカー・ドロップで勝利。

第九試合
ジョニー・ストーム、マッドドッグ・マクフィー vs ポール・スローン、フィル・パワーズ

ジョニーとマクフィーが長時間ポールを捕まえる。ジョニーがポールにボディプレスをするが、フィルがやって来て、ポールの肩越しからジョニーにドロップキックを放ち、勝利。

第十試合
デス・スクワッド vs アレックス・シェーン、レオン・マーフィー

小さいリングに4人の大男。デス・スクワッドの勝ち。

第十一試合
ジェイソン・クロス vs ジョニー・ストーム

ジョニーがFWAの試合のように控室に戻ろうとする。なかなか試合をしたがらないところに、ポールによってスライディング・キックをされる。ジョニーの場外にいるポールへのムーンサルトは素晴らしい。ビッグ・パパTが乱入して来て、この試合はノー・コンテスト。

第十二試合
クリストファー・ダニエルズ vs アナーキスト

アナーキストの動きは全大会同様に素晴らしい。ジャーマン・スープレックスを決めるが、ナイトの乱入のため、レフェリーがそれに気を取られる。ダニエルズがネックブリーカードロップで勝利。

第十三試合
2ファー・ゴーン vs オールナイターズ

オールナイターズはカナダからの選手で動きが面白い。2ファーゴーンがボディ・アタックで勝ち。

第十四試合
愚乱浪花 vs タイガーマスク

浪花はタイガーとの握手を拒むと、すぐに椅子攻撃。椅子を使って、ダイヤモンド・カッターまで繰り出す。タイガーはスペース・フライング・タイガー・ドロップを試みるが、浪花がエルボーでタイガーの動きをカット。この試合はタイガーがフロント・スープレックスを出したときに終了。観客は延長コール。しかし、これで終わり。

第十五試合
UWA TVチャンピォン・エリミネーション・トーナメント
・アナーキスト vs ビッグ・パパT

アナーキストが試合直後にパパTをトップロープ越しに投げる。

・アナーキスト vs ポール・スローン

アナーキストのジャイアント・スウィングは素晴らしい。ジャーマン・スープレックスでアナーキストが勝利。

・アナーキスト vs スティービー・ナイト
両者失格。

・ケリー・カブレロ vs ダニー・ロイヤル

ロイヤルのバックドロップがカブレロに十分なダメージを与えられない。カブレロがダニーを場外に投げる。
・ケリー・カブレロ vs マッド・ドッグ・マクフィー

カブレロの勝利。
・ケリー・カブレロ vs フィル・パワーズ

オーバー・ザ・トップロープでフィルの勝利。
・フィル・パワーズ vs ジョニー・ストーム

同様にフィルの勝利。
・フィル・パワーズ vs クリストファー・ダニエルズ

ダニエルズが疲れたパワーズに対して、試合の主導権を握る。フィルは必死にフィッシャーマンズ・スープレックスを繰り出す。ダニエルズはアラビアン・プレスを決めるが、ムーン・サルトは自爆。フィルがダニエルズを場外に投げると、UWA TVタイトルを手中にした。
今大会はなかなかのもの。というのは、ファンが喜んでアメリカやカナダや日本のレスラーを迎え入れたからだ。各レスラーの名前をかたどったレーザービームもなかなか画期的だった。セキュティのスタッフも子どもをリングから遠ざけた。コンセプトは完璧なほど、良かった。しかし、何試合かはいい終わりかたではなかった。何人かのレスラーは技術の向上が必要で、独自のフィニッシュ・ホールドを持つことが必要だ。とにかく、UWAは向上心があるので、ますます良くなってくるだろう。

LWF UK O総理

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